Report/Survey
振付家・ダンサー
創作過程において自分のやりたいものと再現性の高いものづくりのバランスを緻密に計算することの難しさと重要性を実感しました。
・クリエーションメンバーに対しての拘束期間に見合っていない報酬
・芸術分野における東京一極集中
この2点の問題において、私がいま自身の活動の中で選択可能な範囲での解決方法が再演可能な作品の創作です。
しかし、再演可能な作品を意識しすぎて作品の面白さを失ってしまっては本末転倒であり、そもそも面白くなきゃ再演場所も確保できません。
反対に、再演場所を確保できていても金銭面や技術面で再演が困難だったり再現性が低くなってしまってもせっかく手に入れた機会を有意義なものにできません。
そのバランスが重要であるということは認識し、意識していたものの妥協ではない選択をするには経験から得られる知識量が必要だと思います。
その経験を金銭的なサポートが得られることなど、リスクの少ない今回のような場所で得られたことが今後の活動にとっての一番のプラスでした。
肌感覚ではありますが、今回のKCA2024に集ってくれた観客は、演劇|ダンス|パフォーマンスアートなどのジャンルに囚われず幅広く色々なアートに触れている方の割合が多いなという印象でした。
これは、東京(私の活動拠点)に比べぞれぞれのジャンルの公演数が少ないからなのか、京都という場所に住む人たちの特徴なのか、はたまたKCA2024に興味をもってくださった方々に限るものかはまだわかりませんが、違いを実感できたことはとても嬉しく思います。
今後、自身のカンパニーの上演を京都で行う際に意識したいポイントだなと思いました。