Report/Survey
上演作品振付家
振付家・ダンサー
今回参加させて頂いた「Enjoy Dance Festival 2023」での収穫として最も大きかったのは多くの作品を見ることが出来たことです。特に今回発表した作品が初の創作だっ為に、人の作品を見る事で自分の作風が数あるダンス作品の中でどのようなポジションに位置していて、この先何を目指して創作して行けば良いのかがとても明確になりました。ダンス作品を見るという行為には、ダンスをする人、ダンス作品を作る人、ダンス作品を鑑賞する人と言うように様々な立場の人が関わっています。普段ダンス作品を見る時は「見ている」時点で観客となり、創作行為とは少し離れた立場に立つことになってしまいます。しかし、今回は1人の振付家として見ることで、普段しているような観客としての見方とは違った視点で作品を見るといった意識がとても刺激され、見ているダンス作品と、ある意味で対等な関係を持って鑑賞する事が経験できたと感じています。また、多くの作品を見るだけでなくその数だけの振付家の方やダンサーの方であったり、様々な立ち位置からダンスに関わる方と話すことが出来た事もとても良い経験でした。個人的に発表するような場では観客層も限定されて来ますが、今回のように各地域からの推薦、公募、ゲストと幅広い集め方をされたフェスティバルでは普段自分達が関わっていないようなジャンルのアーティストの方やその観客の方々にも自分の作品を見せる事になるので多方面からの意見を聞くことが出来ました。
今回の作品が初の創作であり初の自分の作品で初のフェスティバル参加だったのでテクニカルスタッフの方やコーディネーターの方とのコミュニケーションの中でもその役職の人が何をどこまでやってくれて、自分自身はこのフェスティバルに於いて何を求められているのか等多くの発見があり、またほかの振付家の方を見る中で振付家としてのダンサーとの接し方やテクニカル関係のオーダーの仕方等細かい基本的な所でも勉強になりました。