4日間ひたすらに振付ということに向き合い、没頭することができました。まずは会場のパトスに来て思ったことは、シンプルですが、広いということです。体を動かす場所があり、考える時間がある。考えることに煮詰まったら、寝っ転がる場所がある。自由に出入りできるストレスフリーな空間が4日間の集中力を引き上げてくれたように思い、環境の広さがで思考の広がりと繋がっていることを痛感しました。
メンターの平原さんときたまりさんには、創作の原点と本質に気づかせていただきました。
振付を始めてから5年ほど経ち、作品のスタイルは見えてきたものの、「何かが足りない、作品の強度を高める何かが必要だ」と薄々感じていました。じっくり対話していく中でそれが言語化され、実際に動いて試してみるというトライ&エラーをすることでどんどん明らかになっていきました。言語化することは対話する場があれば可能かもしれないけれど、動いて確かめてみるという実験は、場所と時間が十分にあり、メンターという指針を示してくれる人がいるからこそできることだと思います。
言語化と実験を繰り返していく中で、「なぜそうするのか」「何を作りたいのか」「これからどうしたいのか」といった、原点に帰っていきました。それは東京にいると見失っていた部分でした。札幌に来て「なぜ」を考え、札幌の振付家たちとも交流するうちに、作ることの本質にまっすぐ向き合うことが如何に重要かが身に染みました。振付することってこんなに面白かったんだと思えました。
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