Report/Survey

レポート/アンケート

上演作品振付家

井田亜彩実

振付家・ダンサー

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

ほとんどダンス経験がない方を対象に、10日程度のクリエーション期間で公演として成立させるという企画は初めてで、非常に実り多き時間となりました。
特に、市民参加型とは線を引くということを決めていたので、どのようにクリエーションや、作品の方向性を定めていくかが非常に重要でした。一番重要としたのは、何がそれぞれの出演者に引っかかるのか、ということです。今回は彼女たちのそれぞれの個性を引き立てることが作品の強度に繋がると感じたため、どこに彼女たちの輝きポイントがあるのか、を見つける作業が繊細でした。そして、今回は彼女たちから出た動きを大切にしました。もちろん、それを整える作業はしましたが、彼女たちとインプロを重ね、一緒に創って行きました。これは今まで自分のカンパニーでやってはこなかった作業で、ダンサーには常に細かく動きの指示を出していました。ですが今回は彼女たちの行方を一緒に辿ってみるという作業ができ、考えてみると、それは彼女たちを信じることでもあり、彼女たちの自信にも繋がるという素晴らしい作業だったのだと気付かされました。これは今後の活動でも大事にして行きたいプロセスです。
そして、作品も、皆様のおかげでとても清々しい作品となりました。こうして経験の有無に関わらず、クリエーション次第で、それぞれがそれぞれのよさで輝くことができるコンテンポラリーダンスを私は改めて好きになりましたし、あまり枠にとらわれずに色々な可能性を探って行きたいなと感じました。ありがとうございました。

プログラムに対してのご意見・ご感想など。

JCDNの皆様をはじめ、テクニカルスタッフの皆様、制作の分籐さんが寄り添って一緒に支えてくださいました。改めて公演というものは本当に多くの方の想いがあって出来上がるのだなと感謝の気持ちでいっぱいになりました。本当にありがとうございました。

井田亜彩実「ですぱれーと行進曲」撮影:やまぐちなおと