参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。
「男時女時」は20年の歴史を持つ作品であり、10分の中に10年が凝縮されたような、圧倒的な密度と豊かさを抱いている。効率化が重視される現代において忘れ去られかけている、時間をかけて関係性を探求することの尊さを教えてくれた。今年2月、再演の機会をいただいて、本作の奥深さを発見し直した。リバイバル初演時から継続していた男時女時のアーカイブ作業や、稽古場で砂連尾さんとみさこさんの身体や精神に対する哲学を学び、作品を見る視点を増やしていく過程で、豊かな眼差しを持つことが可能になった。
一方で、その豊かさを体現するには、まだまだ道のりがあることも痛感した。踊り終わった後、真っ先に「もう一度踊りたい」と感じた。この作品にはまだまだ先がある。もっともっと深くまで潜っていきたい。本作に向き合うたびに、踊りへの探究心がくすぐられる。
現代社会は、効率とスピードを追求するあまり、私たちから豊かな時間を奪い去っている。SNSを介した相互監視、常にオンラインで繋がる環境は、思考の余白を奪い、想像力を枯渇させる。そんな時代だからこそ、砂連尾理さんと寺田みさこさんによるデュオ作品「男時女時」にさらに向き合う機会をいただけたことに感謝している。
プログラムに対してのご意見・ご感想など。
最近は、多様性が重視される社会になっている一方で、それぞれの孤立化も進んでいるように感じる。それは、日常生活に限らず、特に舞台芸術の世界でも顕著だ。小さく、個々的に、つぶし合いになっていくものに対して、JCDNの活動は、それらを繋ぎ合わせる非常に良い取り組みであると感じる。
実際、今回の上演を通して、近い世代のダンサーや振付家と知り合うことができ、今後の活動に繋がる可能性を感じた。今、創作し、踊るための機会を提供し、今後、機会が機会を結ぶように種を蒔いていく。いずれ、若手アーティスト同士が手を結び、大きなコミュニティの中で、ゆとりをもって面白いことが出来れば、舞台芸術の世界は、多方面に開かれ、より豊かに、より面白くなるはずだ。
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