「Choreographers 2024札幌公演-次代の振付家によるダンス作品上演&トーク-」が終了しました!

2024.11.18

全国の劇場とのネットワークによる再演プラットフォーム「Choreographers 2024札幌公演-次代の振付家によるダンス作品上演&トーク-」が11月17日に終了しました。

 

全国の劇場とのネットワークによる再演プラットフォーム:
Choreographers 2024 札幌公演
次代の振付家によるダンス作品上演&トーク
2024年11月17日(日)会場:生活支援型文化施設コンカリーニョ
プログラムの詳細はこちら:https://choreographers.jcdn.org/program/choreo24_sapporo


 

公演日は雨と強風で天候がすぐれず、また休憩を含めて4時間強と長丁場での上演プログラムでしたが、小学生の小さなお子さんも含めたくさんの方にご来場いただきました。

 

当日のプログラム(上演順)

1部 「サッポロコレオ2024」

  小林萌「ens」
  山崎彩美「PlayHouse」 
  タイラハルカ「白街」 

 

左上:小林萌、右上:山崎彩美、左下:タイラハルカ

「サッポロコレオ2024」から小林萌、山崎彩美、タイラハルカが作品を11月15日にショーイングを経て上演しました。実際に劇場での上演となり、照明や音響の効果も加わり、どの作品も力強いパワーを感じるものになりました。

 

2部 「Choreographers 2024 札幌」

  熊谷拓明「todo◯…」
  岡田玲奈、黒田勇/ Null 「Own Own」
  きたまり「サカリバ」 (リバイバルver.)

 

左上:熊谷拓明、右上:岡田玲奈、宮悠介、左下:きたまり

熊谷拓明さんが道内在住の若手ダンサー4名をオーディションで選出し創作した「todo◯…」、「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD(KCA)2022」の受賞振付家Nullの 「Own Own」を、そして現在札幌と京都の2拠点で活動する振付家・きたまりが2004年に発表した名作「サカリバ」のリバイバル版が上演されました。
どの作品も上演中に笑いが起きる場面もありつつ、観客のみなさんが集中して作品を真剣に観ている様子がとても印象的でした。各作品30分程度の上演ではありますが、どれもメッセージ性が伝わってくる厚みのある作品でした。

 

3部 アフタートーク 
  ゲスト:田仲ハル(舞踏家/グラフィックデザイナー)、櫻井幸絵(演出家)

 

 振付家6名とゲストを迎えてのアフタートークでは、まず初めに田仲ハルさんから上演を見終わった後の率直な感想として、「時代、世代が違うなと感じた」というお話がありました。
その後、各作品の振付家から楽品の説明とゲストからの感想を交えながら、全体でのディスカッションが繰り広げられました。

 「サッポロコレオ」の濃密な4日間のクリエイションに参加した3名の振付家からは、共通して「言葉」の重要性や向き合い方に苦労したことが話されました。毎日プログラム終了後、帰宅して思ったことや考えをとにかくノートに書くという作業をそれぞれが行っていたそうです。
作品や自分の考えを論理的に言語化して説明する「言葉」を持つことで、より自分の考えや表現を正確に伝えることができ、「今まで感覚的に作ってきた作品が、クリアに理解することが出来るという発見があった」という話が印象的でした。

 「Choreographers 2024 札幌」はそれぞれ地元ダンサーとの新作、再演、リバイバル上演と作品自体の枠組みが違う形での各作品の制作過程について伺うことが出来ました。
 熊谷さん作品はタイトル「todo◯…」(読み:とどまる)を決めるところから、クリエイションがスタートしたそうです。また、ダンサーオーディションの際には「自分の踊り慣れた踊りをを捨てる勇気が見えた方を選出した」とのことで、踊りを動きをアウトプットするものとしてだけではなく、その場の状況を受け入て身体で反応できる個性の異なるダンサーを選ばれたそうで、ダンサー4人との稽古はとてもスムーズに進んだとのお話がありました。

Nullの岡田さんからは各地で踊り続けている「Own Own」について、何度もリクリエーションをすることで新たに見えてきた「支え合う」という関係性に重きをおいて上演したことが話されました。また、再演を重ねることについて、各地での観客の反応の違いやそれを踏まえて次の上演に改良を加えていくことはもちろん、作品の更なる可能性を見出していける機会になったとの感想がありました。

きたまりさんからは20年前に作り、15年前にはオリジナルメンバーで今回の会場であるコンカリーニョで上演をした「サカリバ」について、作品のコンセプトにも大きく繋がる舞台美術のベッドの話などを伺いました。櫻井さんからはベッドが「生・死」を想起させるものとしても効果的に使われていることや、間で挟まれるある種のコミカルで観客を引きつける表現についてもご感想がありました。

今回は2本立てということもあり、振付家や出演者、スタッフも含めてタイトなスケジュールでの上演でしたが、ご来場いただいたみなさまも含めて、札幌の皆様ありがとうございました。

(広報:竹宮)

写真は全て撮影:yixtape


 

「Choreographers 2024札幌」公演と同時開催した、
振付家を目指す若手を対象とした各地のプログラム:ダンスでいこう!! 2024
「サッポロコレオ2024」レポートはこちら 🔗https://choreographers.jcdn.org/news/6103