Report/Survey
上演作品振付家
振付家・ダンサー
ゲネプロで他作品を10作以上一度に鑑賞できたのは、本番に向かう上でも、また次の創作を行う上でも、またダンサーとしてもとても刺激になりました。
様々な世代やキャリアを持った皆さんと交流できたこともとても嬉しい時間でした。一過性の関わりで終えず、次に繋がるようなプログラムだったなと思います。
個人的には、昨年の別企画に続いて同作品を上演できたことで、再度直に鑑賞してくれる人の目があったことも、京都入してからの作品のブラッシュアップに繋がり感謝しております。ただ作品を上演するのでなく、第3者の目からアドバイスを出していらだけたのも、振付家育成事業の行う公演の醍醐味であるのだと感じています。
アフタートークについて。1問1答も良いが、上演後なので作品についてもう少し作者が話す時間があっても良いと思った。また、公募・推薦・リバイバル、とキャリアは異なるとはいえ、トークの場では均等な立場としてコメントのできる環境にしてもらえたら、とも思った。
参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。
本プログラムを通し得たことについて、県外での作品上演とダンスを語る場のそれぞれからあげさせていただきます。
まず、自作を県外で再演できたことについてです。初演にやりきれなかったものを拾い上げ精度を上げるという点で、再演する機会は創作を重ねていく上での救いになると思います。また作品を選出されるという経験は、創作を続けるうえでの励みになりました。
実際に上演して、初演時の新鮮さが失われ予定調和的に作品が展開されたという反省があります。作品を生み出す過程で生まれる危機感が、既に出来上がったものを再創作していくという点で薄まり、気の緩みが生まれていたのだと内省しました。これは今後、自身の作品を再演する際に解消すべき課題だと思います。
次に、ダンスを語る場についてです。ダンサーとしての背景も振付家としての作品も全く異なる3人だったことで豊かな議論の場になったと思います。特に、若手振付家/鈴木ユキオさんという構図が生まれたことで、私たちも語る(提供する)側だけでなく受け取る側になりやすくインプットとアウトプットを同時に行う学びの時間になりました。
またファシリテーターや観客からのフィードバックを通じて、自分の作品の客観的な見え方について改めて知ることができました。さらに自身の考えを言語化することで、自分が何を大事に創作しているかを再確認し整理する機会となりました。
プログラム全体を通して、若手育成に対する意欲と熱量の高い企画であったことにとても感謝しております。 プログラムを通した交流で、時代は良い意味で繰り返されており、次の世代に脈々と引き継がれていることを噛み締めました。そして自身もその一端を担う存在なのだという、日本のコンテンポラリーダンスに関わる当事者意識のようなものが芽生えました。ここで得た学びや反省を糧にして引き続き邁進していきます。
ありがとうございました。