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レポート/アンケート

出演者・参加者

ダンスで行こう!!松山『カラダでTRY ANGLE』出演者レポート

籔下尚亮

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

第一線で活躍されている先生の振る舞い。ダンスの学び方(コンテンポラリー・ダンス動画の覚え方)。キャリアのある参加者の皆さんのダンスに対する熱意。

矢野華子

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

9日間、毎日新しいことを吸収して、自分なりに理解して、やってみては、何か違って。迷走している時間もありました。ですが、動きとなって出せた時はピンッと来るものがあって、それが続き、少しずつ自信がつきました。
また、ワークがそのまま作品になることも自分の身で体験しました。
ダンスを愛する方々と共に過ごすことができて、本当に良かったです。貴重な経験ができました。
教わった言葉一つ一つを大切にして、これからもダンスに挑戦し続けようと思いました。

沖野敦美

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

私は、昨年に続き、今年も参加させていただきました。
当たり前のことではありますが、振付家によって作品創作について考える思考の順序や重視する視点が違うことに気付かされました。また、昨年は自分自身が振付家・ダンサーとして、作品創作にも深く携わったため、作者としての思考が多くなっていました。ですが、今年は鈴木ユキオさんの作品に参加するという形であったため、ダンサーとしての視点を重視して踊ることができました。鈴木ユキオさんが重視するのは、身体を動かされる理由、反応といった身体を魅せる動きでした。こういった経験は初めてであり、新しく身体を動かす感覚・考え方を得ることができました。作品を創作する身としても今回学んだ考え方を使って創作できるようになりたいと思いました。

プログラムに対してのご意見・ご感想など。

クリエーション期間が7日間あって、良かったと思いました。鈴木ユキオさんが仰る言葉や感覚を理解し、体現するのに時間がかかったため、この日数があって初めて舞台に乗せることができたと思いました。
また、県外で活躍されている方の作品、県内振付家のクリティカルレスポンスを経た作品など、内容がとても充実しており、どれも本当に見応えがありました。また、「ダンスを語る場」では、客観的な視点と作者の視点、様々な角度から濃いお話が聞けてとても充実した時間でした。

泰山咲美

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

今回初めて振付家として作品をつくりました。プログラムの中で特に良かったのは、2度に亘るクリティカルレスポンスを経験できたことです。製作途中の作品を人に見せるということはとてもナーヴァスなことですが、このシステムであれば「作品をより良くするための場」であることが前提に置かれるので不安がかなり軽減されました。発言される言葉もステップによってアーティストを尊重した言葉をもらえ、作品の核となる部分や自分でも潜在的に気になっていたポイントなどを表面化でき、その後のクリエーションにとても役に立ちました。また、本番では他の振付家に出会えたことも大変刺激となりました。経験豊富な鈴木ユキオさん、同世代の佐々木実紀さん、お二人とのアフタートークも、今もっている悩みやぶつかった壁など、それぞれの現地点から率直に対話ができてとても学びになりました。ダンスは身体ですが、今回はクリエーションにおいて特に言葉の使い方が成長できたポイントだと思います。ダンサーへのフィードバックでの言葉の選び方や、その振りやシーンがよりクリアにイメージに近づけるよう的確に伝える言葉の選び方、クリティカルレスポンスで思考を言語化することなどです。

プログラムに対してのご意見・ご感想など。

JCDNさんとは、2011年踊りに行くぜⅡの矢内原美邦作品に出演して以来と記憶しています。この企画はコンテンポラリーダンサーを志した当時の私のターニングポイントとなりました。それから時を経て、今回は振付家としてまたJCDNさんにお世話になれたことを感慨深く思います。
とにかく続けること、そうすれば道は開けると教えてもらったような気がします。
本当にありがとうございます。

香川悦子

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

この振付家の作品に出演したいという「熱」で集まった人たちで作品が出来上がっていく過程は全て刺激的だったのですが、特に県外からこのためにわざわざ松山まで来られた方達に刺激を受けました。そして、今回初めて関わらせていただいた鈴木ユキオさんの、踊りだけでなく、全ての参加者の個性を的確に把握し、作品を仕上げていく人間的柔軟さとキャパの大きさに魅了され、感銘を受けました。

プログラムに対してのご意見・ご感想など。

今回私は年齢的にもこのようなクリエーションワークに参加させていただくことはもうないかもしれないと覚悟して臨んだにも関わらず、寸前にコロナ発症し、殆ど参加できなかったので、自分に関しては悔しい思いしか残りませんでした。再挑戦できるかわかりませんが、また機会が巡ってくることを祈ります。プログラム自体は、日本のダンス界の今後を担う方達、特に若い世代に振付家としても踊り手としてもどんどん挑戦してもらいたい、素晴らしいプログラムだと思います。

土屋春菜

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

今回プログラムに参加させて頂いたことは、私にとってとても重要な体験となりました。私は演劇を専門としており、パフォーミング・アーティストとして、近年は主にソロの作品の創作、発表を行ってきました。ソロでの活動が長くなるにつれ、一人よがりの作品、表現になっていないだろうかという不安も生まれており、同時に共演者や演出家のいる舞台を恋しくも感じ始めていました。種々のダンスは、演劇のトレーニングの一部としてかじってはいるものの、とても自らを「ダンサー」と呼べるようなレベルではありません。しかし、鈴木ユキオさんとは10年以上に渡って親交があり、近年ユキオさんが開催されているワークショップにしばしば参加させて頂いていたため、オーディションのことを知って、直感でこの機会を逃してはいけない!と感じました。舞台に立ちたいという気持ち、そして他のアーティストの方の創作の過程を知りたい、という思いが強くあったのです。全く予備知識がないままに稽古に入りましたが、「創作」という点に関しては、一つの大きな作品を創り上げるというよりは、「普段のエクササイズが作品になり得る」ということを体現したような気がしました。この点に関しては、興味のあるテーマを見つけ、それを深くリサーチして掘り下げ、そこから作品を創っていくという過程を経験するには、もっと長い時間が必要だったのは当然のことと思います。ユキオさんの創作過程を拝見するという点から考えると、この点のみに関しては、若干残念な気持ちがあったことは否定できません。それでも、稽古の中で、ご自分の信念などを含めた様々なお話を惜しみなくして下さり、創作に対するユキオさんの想いやエッセンスの一部を感じることができたのは、とても貴重なことでした。後半部分の作品の抜粋に関しては、心に活を入れられたようでした。元々振り付けを覚えることが非常に苦手なため、どんどんと覚えていく仲間たちを見て、非常に苦しい心境になったというのは正直なところです。しかし、前述の通り、ソロでの活動の中では、自分自身との葛藤はあれど、人との比較によっての葛藤というのはそう体験できるものではありません。久しぶりにこのような「心のジェットコースター」を体験できたことは、最終的には非常に良い意味で、プラスの経験となりました。そうした状況の中で、芸術の世界に足を踏み入れたばかりの学生時代のように落ち込みすぎることもなく、だからと言って開き直ってしまう訳でもなく、ある程度の客観的な視点とほどよい自尊心を保っていられた自分を発見できたのは、(自分の出来を棚に上げて)嬉しい事でした。丁度良い加減で、心に活を入れられたようでした。
ユキオさんの寛容さと、本当に一流の方が兼ね備えているやさしさと謙虚さからも、多くを学ばせて頂きました。そして、MOGAの皆さんの温かさ、やさしさにも心から感謝しています。遠方からの参加者のために、手書きの「地元のおすすめマップ」や、公共交通機関の時刻表まで印刷して下さり、本当に何から何まで至れり尽くせりで良くして頂きました。本当にありがとうございました。また、JCDN の皆さんがはるばる松山まで駆けつけて下さったことにもとても驚き、感激しました。
一点のみ、若干気にかかったのは、公演に参加した大学生には、打ち上げの費用が結構な負担だったのではないかということです。自身の学生時代からは随分時間が経ってしまっているので、今の学生さんとは感覚がかなり異なってしまうかもしれないのですが、公演への参加費もありましたので、学生さんは打ち上げの費用を無料または半額位にできたら親切かな、と思いました。
全体を通して、このタイミングで、良き仲間たちと、素晴らしい体験を共有させて頂いたことに心から感謝しています。稽古からの帰りの電車の中での会話も貴重でした。限られた時間でしたので、もっとゆっくりと、舞台、芸術、創作について語り合いたかった仲間がたくさんいます。今回の新たな出会いが、これから様々につながっていくことを願っています。