Report/Survey
振付家・ダンサー
関東出身のため、関西の公演に出演することが初めてだったのですが、関東と関西のダンスの雰囲気の違いを感じたことが、今回の発見のひとつでした。私が大学で学んできたことが、この世界ではほんの米粒くらいのことに思える程、ダンスはまだまだ未知で、果てしない世界だなということがわかりました。
コンテンポラリーダンスというからには、新しいことを探し続けることが重要であることが身に沁みました。その一方で、自分の中に流れているダンスの系譜を守りつつ、やり抜くことの大切さを感じました。
また、新進振付家の作品だけではなく、リバイバル作品やゲスト作品など、幅広い年代の方の作品を拝見することができたのも本当にありがたい経験となりました。その中でも変化を感じたことと、逆に時代が変わっても変わらないものもあり、それがダンスにおける軸なのだなと思いました。
加えて、このプログラムでは、言語化する機会が与えられたのはとてもありがたいことでした。今まで感覚だけでやって来たことをお客様に伝えるということはとても難しく感じましたが、何を伝えて、何を伝えないでおくかということが振付家として考えておくべきことだと思いました。
振付家の思想はそれぞれですが、その考えを近くで聞くことができたのはとても新鮮でした。
このプログラムでは、身体で感じることだけではなく、頭でダンスを考えることができたとても貴重な機会でした。今後の活動においては、外に発信していくという意識を持って身体を存分に活かすこととともに、言葉とどう向き合っていくかということにも関心を向けていきたいと感じました。
本当にありがとうございました。
今回のプログラムで発見できたことの一つは、場所の力に頼りすぎてはいけない、ということです。山代温泉の専光寺という、歴史ある大変素敵な場所で踊らせていただけるという経験にとても胸が躍り、この場所でどんなことができるだろう?と考えを巡らせました。しかし、そのことばかりに気が取られ、作品の本質がどこにあるのかが曖昧な状態になっていたことにゲネプロを経て気がつきました。場所ありきで作品を創るという考え方よりも、この場所で踊ったら相乗効果でもっと良い作品になる、という心持ちで作品を創ることが大切だったのだなと考えさせられました。
また、他の振付家の方々と1つの公演をつくりあげるという経験が、とても貴重な時間であったと感じました。一つひとつの作品の個性を際立たせ且つ、お客様にとって観やすい流れで構成するという、フルレングスの公演では感じることのできない難しさがありました。何名かの振付家と共に公演をつくる際は、柔軟性を持って対応することも必要なことだと思うのですが、それ以前に振付家として譲れないポイントを明確に持っておくことが重要だということを学びました。そうしなければ、自分だけでなく、他の人もやりづらくなってしまうし、作品へのこだわりが薄れてしまうのだと感じました。この経験が、振付家という立場としてだけではなく、企画、制作という面においてとても勉強になりました。
関連企画として児童を対象としたワークショップも行いましたが、この企画を通して、改めてダンスのもつ力強さを感じました。子供たちの固まっていた身体がどんどん解放されていく様子を間近で見られたことが、自分の作品を深める手掛かりになったと感じます。創る、踊るということだけではなく、教えることを通してダンスの楽しさを伝えることができたとても貴重な経験でした。学びある時間を、誠にありがとうございました。