Choreographers 2023 北九州公演

次代の振付家によるダンス作品上演&トーク

photo:Toshie Kusamoto

2023年11月26日(日)14:00開演(13:30開場)
会場:J:COM北九州芸術劇場 小劇場(〒803-0812 北九州市小倉北区室町1丁目1-1-11 リバーウォーク北九州内)
料金:前売3,000円/U25・障がい者* 2,000円/高校生以下 1,000円(全席自由)
     ※当日500円増 ※障がい者は介助者1名も同料金 ※JCDN会員割引有
チケット発売日:一般発売9月24日(日)
チケット取扱:
https://choreographers.jcdn.org/reservepost
※【先行予約】KICPACメンバーズ先行予約9月16日(土)/チケットクラブQ先行予約9月23日(土)あり。詳細は劇場HPにて。

振付家・上演作品:
Aokid× たくみちゃん「HUMAN/human」*黄金4422AIR賞
大森瑶子「Help」*KCA京都賞
岡田玲奈、黒田勇/Null「Own Own」*KCA奨励賞

プログラム:
1部 プレトーク
(14:00~14:45)
   「社会とコンテンポラリーダンス作品との関係!?」
    石井達朗(舞踊評論家)×吉田純子(朝日新聞社 編集委員)
2部 作品上演 (15:00~17:00)
3部 アフタートーク(17:00~18:00)
   「そのダンス、どうやって作ったの?」
   Aokid× たくみちゃん 大森瑶子 岡田玲奈、黒田勇
   聞き手:康本雅子

※1・3部は入退場自由

――コンテンポラリーダンスの振付家の役割って案外知られていない。「振りを付ける」ことに留まらず、作家であり、演出家であり、思想家であり、冒険家であり・・・。ダンスは、時には社会を察知し、真実を探るメディアでもあるのだ! 「Choreographers」は、そんな振付家にまつわるあれこれを、上演&トークを通して掘り下げるシリーズです。 
2023年北九州公演では、「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD(KCA)2022」の受賞振付家3組による、全く世界観の異なる作品を一挙上演するほか、上演前プレトークとアフタートークの三部構成でお送りします。
コンテンポラリーダンスについて、振付について、聞いて、観て、感じるダンス漬けの1日。関心がある方はもちろん、初めて触れる方も、ぜひトークと合わせてご覧ください。

[振付家・作品紹介]

■Aokid×たくみちゃん(東京・神奈川)
「HUMAN/human」
構成・振付・演出・出演:Aokid、たくみちゃん
初演:2015年(STスポット)

 

 

2つの身体と地面、紙、映像、音声、楽器。われわれは交差する、今回! 
2人以上で遊ぼうぜ!
 
白い床と壁のホワイトキューブ的舞台で制作初演された本作。
今回、北九州芸術劇場の壁やパーティションといった空間での代替と、身体、他に紙や、紐、テープや映像。
“もの”を使用する身体、積み重なる空間で踊る身体。
並んだものを2つから数え始めるみたいに身体と空間で足し算と引き算、また掛け算を行っていきます。
私たちは物を動かし、物に動かされ、音楽やイメージを生み出し、音楽やイメージに生み出される。
そんなデュオ(2以上)作品です。

―ダンサーのAokidとアーティストのたくみちゃん、二人のユニットは2014年に活動を開始。本作『HUMAN/human』は結成2年目に発表後、7年の時を経て「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD2022」で再演され、黄金4422AIR賞を受賞した。初演時の劇場空間がホワイトキューブであったのを活かして、本作は男性が二人‘二人展のサイズ感’で作られている。
ギャラリーなら展示、ライブハウスなら演奏と、私たちの表現世界はその特性に合わせて場が設計されていて、それがジャンルとして区分けされる要素にもなるが、二人はそうした場にそれぞれの身体や思考やモノや得意な表現を掛け合わせることで、私たちの意識やモノの見方をずらそうと実験をしているようだ。そして、いつでも「分断のない世界」を試みようとする。二人のダンスは、生きること、楽しむこと、いろんなエールにあふれている。

​>>Aokid×たくみちゃんインタビュー(KCA2022)
「人間と人間、人間と物のコミュニケーションを等価に、ダンスの延長として提示する」

 
■大森瑶子(東京)
「Help」
振付・構成・演出・音楽(一部):大森瑶子
出演:池田琴絵、大内涼歌、大森瑶子、河野陽、柳谷圭郁、芝田和、八木橋華月
初演:2021年YDCコンペティションⅠ

 

ネガティブな感情は形を変えて「犬」となり、ダンスとなる。
ただ助かりたいがために踊る。

この作品は、「犬」そして「ただ助かりたいだけ」ということをテーマにしている。
私は、人や物や何かに依存していないと生きていけない、どうしようもない人間である。
その依存していたものが遠くに行ってしまったときには酷く絶望し、とにかく助かりたいという気持ちになった。
またネットで、「人の心は結局犬や猫くらい馬鹿なのかもしれない」という内容のものを見つけた。
私の心情は複雑で重く見えたが、犬と同じくらい馬鹿で単純なのかもしれない。

-大森は、幼少から様々な踊りを経験し、日本女子体育大学在学中から創作を始めている。本作『Help』の初演は「横浜ダンスコレクション2021(DECコンペティションI)」で、ベストダンサー賞を受賞。その後、フランスの「Danse Élargie 2022」に出品し第二位とテクニカル賞を受賞。更に「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD2022」で大賞・オーディエンス章をW受賞した。
本作には6名のエキストラと名付けられた出演者が登場する。大森自身の中にある個人的な出来事、それもネガティブな事から助かりたいというテーマで作られた作品中に「私の雑念のようなもの」として存在するエキストラたち。その一人一人に興味をそそられ、目をそらすことができなくなるのは、なぜだろう。Z世代の彼女の作品がいま世代を超え、国境を越えて共感を呼んでいる。

>>大森瑶子インタビュー(KCA2022)
「「ただ、自分が助かりたいがため」に踊る

 
■岡田玲奈、黒田勇/ Null(東京)
「Own Own」

構成・演出・振付・出演:岡田玲奈、黒田勇
初演:2022年6月「北陸ダンスフェスティバルvol.6」

 

 

支えることで支えられる
そんな心地よいバランスの中に
自分の欲がころがっている

〈狼狽〉という言葉の語源には互いに欠点があり、それを支え合いながら常に行動を共にする狼と狽の関係が存在している。
一見、「支え合う」には思いやりがある温かい印象を抱く。
互いが互いを支えるというのが「支え合う」だが、二体も自らに欠点があるから相手を支えて成り立つ関係であり、ただ相手の為に支えているわけではない。
この行為には見えていないだけで、無意識のうちに自分自身の欲が存在している。
しかし、あくまで「支え合う」関係性には変わりない。

―強靭なフィジカルとテクニックを持つ岡田と黒田、二人はそれぞれ日本を代表するコンテンポラリーダンスのカンパニー<BATIK><Co.山田うん>のダンサーとしても活動している。2019年、大学卒業を機にダンスグループ<Null>を結成。本作『Own Own』は北陸や関東のダンスフェスティバルにて上演を重ね、「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD2022」で奨励賞を受賞した。
日常のようで物語のようでもある男女二人のやりとりが、淡々と紡がれていく。一つ一つが映画のワンシーンのように印象的な振付だが、踊っているようで喧嘩のようにもおしゃべりのようにも見える。絶妙なコンタクトが生み出す、二人だけの世界を垣間見る。

​>>岡田玲奈、黒田勇インタビュー(KCA2022)
「テクニックの引き出しを閉めて、「狼狽」に向き合い直す」

 

〔1部 プレトーク〕
「社会とコンテンポラリーダンス作品との関係!?」
石井達朗(舞踊評論家)×吉田純子(朝日新聞社 編集委員)

「ダンスは冒険である」というタイトルの著書を刊行(2020,論創社)した舞踊評論家の石井達朗氏と、KCA2020のレビュー(2021年4月1日付朝日新聞「around Stage」)にて『ダンスの本質は、メディアであり、ジャーナリズムでもある』と評した吉田純子記者によるクロストーク。ダンスの本質に迫る45分間。面白さが深まること間違いなし!

〔3部 アフタートーク〕
「そのダンス、どうやって作ったの?」
Aokid× たくみちゃん、大森瑶子、岡田玲奈・黒田勇
聞き手:康本雅子

「コンテンポラリーダンスの作品って、どうやって作っているの??」と、誰しも一度は思った事があるのではないでしょうか。そこで、上演後、3組の振付家にそれぞれのダンスの作り方をお話しいただく場を持ちます。「choreographers2023」北九州公演のみの試みです。聞き役・進行は、振付家・ダンサーとして自身も作品作りを行う康本雅子さん。お楽しみに!

―――

[お問い合わせ]
J:COM北九州芸術劇場 TEL:093-562-2655(10:00~18:00)
NPO法人JCDN TEL:075-361-4685 MAIL:info★jcdn.org *★を@に変えて送信してください 

【スタッフ】
舞台監督:横山剛志 照明:伊藤雅一(RYU)  音響:高田文尋((株)ソルサウンドサービス) 
宣伝美術:西岡勉  
プロデューサー:佐東範一 ディレクター:神前沙織 制作:韓ヨルム

【開催クレジット】
「公文協アートキャラバン事業 劇場へ行こう3」参加事業
助成: 文化庁文化芸術振興費補助金統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業(アートキャラバン2)|独立行政法人日本芸術文化振興会
[主催]NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)、公益財団法人全国公立文化施設協会
[共催](公財)北九州市芸術文化振興財団、北九州市

photo:Toshie Kusamoto

Ticket

購入・予約

Choreographers 2023 北九州公演

販売終了

会場
J:COM北九州芸術劇場 小劇場
日時
2023年11月26日(日)14:00開演(13:30開場)
料金
(全席自由)
一般 3,000円/U25・障がい者* 2,000円/高校生以下 1,000円
※当日500円増 ※障がい者は介助者1名も同料金 ※JCDN会員割引有
※未就学児入場不可
※「U25・障がい者」「高校生以下」チケットは、入場時に証明書をご提示ください。
※託児あり(有料・定員有・要予約093-562-2655/公演初日の7日前まで受付)

[チケット発売日]一般発売9月24日(日)

[チケット取扱]
・北九州芸術劇場
 オンラインチケット(北九州芸術劇場HP
 窓口(リバーウォーク北九州5階Q-station内/平日11:00~18:00土日祝10:00~18:00)
 電話 093-562-8435(12:00~17:00 土日祝を除く)
・響ホール  事務室(9:00~17:00)
・チケットぴあ https://t.pia.jp <Pコード520-682>
・ローソンチケット https://l-tike.com <Lコード84614>
・JCDN会員割引は、JCDN Dance Online Shop(https://jcdn.official.ec/)のみ取扱

購入・予約についてはこちら