〈ダンスでいこう!!2025 特待生レポート②〉富永あみ from 神奈川【参加プログラム/京都:『京都振付実験室』】

2026.1.27

「ダンスでいこう!!」2025の特待生、神奈川を拠点に活動する富永あみさんのレポートをお届けします。ぜひご覧ください。

👉参加プログラム【ダンスでいこう!!2025】
京都:「京都振付実験室」
■振付ワークショップ講師:9月3日 東野祥子、9月17日 中村蓉、10月15日 黒須育海
■公演:【Aプロ】2025年11 月7・8日【Bプロ】11月14・15日
プログラム詳細▶️ https://choreographers.jcdn.org/program/d25_kyoto

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① はじめに
 京都振付実験室というSNSの募集欄に記されたワードを見た時、これだ。と目に留まったのが応募のきっかけでした。というのも、以前、同プログラムにて実施された、山あいの振付キャンプ(2024)に参加させていただいた際、振付をするということ、振付とは一体どういったものなのかをメンターの方に先導していただきながら、参加者と共に考え続けました。得たものも沢山あったのですが、同時にどう調理するのが自分の作品にとっては正しいとできるのか。実際に創り、悩みながら進んできた1年でした。今回の企画内容の1つであった現在進行形で作品を創り、社会に発表している振付家さんから発されるものを学べるWS、自分の作品を京都という地で試せるチャンスに、何か覚悟のようなものを決めて、応募・参加させていただきました。
プログラムの構成としては、全3回に及ぶ、東野祥子さん、中村蓉さん、黒須育海さんによる1日WSの後、A・B プログラムに参加者は分かれて、2日間、計2回の上演にて発表させていただきました。私はダンサーとともに都内で稽古を進めながら、1日WSに参加させていただき、Bプログラムにて作品『SHOZAI』を上演させていただきました。

②3名の振付家さんによる WS を受けて
 実際に参加させていただいた日の終わりには、それぞれの振付家人生を、少しだけ覗かせていただけたような気持ちになりました。作品を創り出したきっかけから、振付する際に意識している事、振付ノートや上演された作品の一部も鑑賞させていただきました。一括りに振付家と称しても、手順があるようでなく、全く違う道のりで作品を創り続けられておられ、自分だけの術や、信念、感覚があるようにも感じました。それぞれの舞台人生や略歴をご丁寧なスライドでまとめていただき、受講者は必死にペンを走らせました。残念ながら日程が合わず、東野祥子さんの回には参加ができなかったので、以下感想を割愛させていただきますが、全3回の WS全てに足を運んでいただき、衣装や音響についてのプレゼンテーションもして下さり、感謝いたします。

 
 蓉さんのクリエーションでは、昔話として知られている桃太郎の話を大まかに分割し、参加者3〜4名ほどで創作をしました。誰もが概要を知っているような題材を扱うことは、伝わりやすいというメリットはありつつも、振付家として手を出すのは懸念点が多いようにも思えます。実際、私は起承転結に囚われ、頭を固くしてしまうことが多かったです。どうにか話を伝えようとする思考を、頭の中から追い払って、想像を膨らませ続けました。身体を動かし、他者の意見を取り入れながら、自分ならどうするかと思考をするのは、グループ創作をなかなかしない私にとっては貴重な経験でした。創作後は発表をし、蓉さんに調理をしていただき、シーンをつなげる作業まで行いました。これは、表現したい事象の抽象化や特徴の捉え方、動きの選定をその場で見させていただく機会にもなりました。この経験から、今回は何か新しい創り方を試したい気持ちもあったので、脚本に似たシナリオを作り、そこから振付や構成を考えてみようと1つ実験を増やす決定打にもなりました。 


 育海さんのクリエーションでのお題は、今回上演する作品のプレゼンテーションの中から1つ単語を選択して振付を考えるというものでした。前半の時間での身体を動かすワークにおいて、自分が普段動かさない方向、変わった形を追求する時間があったので、いつもとは違うとは何かを考えて進めました。育海さんに動きを見ていただいた際、思わぬ形をいい

ね。と伝えて下さったり、もっと変にするならどうなるか。と疑問の形でも伝えて下さりました。また、自分の中での面白いにこだわるとそれも育海さんに伝わり、自分にとっての何か面白いという感覚を追求する事も、時に大事だなと思いました。そして、振付家というポジションにおいて、動きの引き出しを増やす為には、言葉の選択や伝えるタイミングもとても大事だなと再認識しました。全体を通して感じたのは、育海さんの身体を動かすWSには、ゲーム性や、リズムに乗って踊ることで、思わず参加者に笑みがこぼれる時間が多くありました。普段創っている中で、創作は、スタッフさんを含めてのチーム作業であると強く感じます。振付家がトップに立つわけではありませんが、振付においては、身体をお借りして、イメージや事象を共有して実験をしていくので、言葉・身体でのやり取りは、空間づくりや関係値、繊細さが求められると思っています。そんな空間を私は現場で築けているのか。と考え直すきっかけにもなりました。

 
③プログラム全体を通して 
 今回、振付をどう調理していくのか沢山の実例を見せて頂けたことがとても大きかったです。稽古をする中では、伝えるタイミングをいつも以上に慎重に選んだり、頂いたアドバイ

スやアイディアを試してみたりしました。稽古で、様々な引き出しを試せた事が、作品の新しい道筋を作ってくれた気がします。また、創作の過程の中にWSがあったことで、何度も作品を客観視する事ができました。上演を終えた今、振付家としての自分像について考えています。作品を創り、上演し続けていくことは容易いことではありませんが、試し、突き詰め、創る行為にこだわっていこうと思います。本プログラムに関東から参加させていただき、感謝いたします。

富永あみ

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👉「ダンスでいこう特待生」制度:
これまでにJCDNのコンテンポラリーダンス新進振付家育成事業に参加したことのある振付家が「ダンスでいこう!!」特待生対応プログラムにおいて、受講料の免除、移動費の補助等によるサポートを受けられる制度(サポート内容はプログラムにより異なる)。
2025年度の応募要綱▶️ https://choreographers.jcdn.org/opencall/d25_tokutai_yoko

👉富永あみ 過去の参加プログラム:
【ダンスでいこう!!2024】信州:「山あいの振付キャンプ」
プログラム詳細▶️ https://choreographers.jcdn.org/program/d24_shinsyu/