Report/Survey
振付家・ダンサー
今回のフェスティバルへの参加は、自身の作品を「発表する」ということについて、改めて責任を持って向き合う機会となりました。作品を提示することは単に場に置くことではなく、それがどのように人に届き、どのような時間や関係が生まれるのかまで含めて引き受けることなのだと実感しました。自分のやっていることが、見る人の中に入り込み、何かを残していく可能性を持つことの重さと面白さを、同時に考え続ける時間でした。
ダンスを楽しむ(Enjoyする)ことを再発見する経験でもありました。14作品それぞれに異なる視点や身体があり、それらに触れる中で、自分の中にある前提や癖が少しずつ揺さぶられていく感覚がありました。作家や出演者、トークゲストの方々、観客の方々と意見を交わす機会も多く、公式の場に限らず、何気ない雑談の中にも多くの気づきがありました。そうしたやり取りの中で、ダンスは一人で完結するものではなく、人とのあいだで立ち上がり続けるものだという感覚がより強くなりました。
今回、出演者を変えての再演だったため、畠中さんとの稽古場でのやり取りから学ぶものが多くありました。2年前の上演と今回の上演とは、作品は同じでも全く異なる経験として私の中に刻まれたような感覚があります。
また、SNS用の動画撮影やアフタートークに参加したことで、自分のやっていることを言葉にする機会を多く得ました。身体で行っていることを言葉にしようとすると、途端にこぼれ落ちてしまうものがある一方で、言葉にすることで初めて輪郭を持つものもあると感じました。どのように言葉を選び、何を発言するのかを考え続ける時間は、自分の活動を別の角度から見つめ直す契機になりました。
これらの経験を通して、作品をつくることと、それを人に渡していくことの間にある距離や緊張を、今後も考え続けながら活動していきたいと感じています。
全体を通して温かい雰囲気で、自然と会話が生まれる環境がとても印象的でした。作品について議論する場だけでなく、ちょっとした雑談の中でも、それぞれの感じ方や考えに触れることができ、その積み重ねが場の温かさをつくっていたように思います。初めて会う方や、久しぶりにお会いした方とも、上演された作品を介してそれぞれの感想や言葉を気軽に差し出せるような空気があったことが、とても心地よく感じられました。
リバイバル作品の上演は特に強く印象に残っています。作品全体に一本の芯が通っているような強さがあり、時間を経ても、なお揺らがない力に圧倒されました。作品が生き続けていくことの豊かさを実感するとともに、そういう作品をこれからも見たい、作りたい、と強く感じました。