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レポート/アンケート

出演者・参加者

「Enjoy Dance Festival 2025」岩淵多喜子「Against Newton」出演者レポート

山城友理恵

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

今回リバイバル作品に参加させていただき、23年前に創作された作品が、時を経た今もこのように上演され、作品が生き続け、継承されていくことの素晴らしさとその意義を強く感じる機会となりました。

また、ダンサーとして関わらせていただいたことによって、映像を通して作品を理解することと、実際に自身の身体で踊ることによって得られる理解には、大きな違いがあることを実感しました。例えば、作品後半に声を発する場面があり、映像を見ていた当初は演出として意図的に声を用いているのだと考えていましたが、リハーサルを重ねて本番を迎える中で、自然と声を発したくなるような精神状態に至り、これは映像を観ているだけでは感じ取ることのできない、身体を通して初めて実感できる感覚であり、表現であるのだと感じました。

本作品は「重力」をテーマに扱った作品でしたが、この一つのテーマを徹底して掘り下げ、身体表現として形にしていく過程には、長い時間をかけた試行錯誤と、思考力、忍耐力など、作品創作に向き合う振付家としての在り方を間近で学ばせていただきました。また、本作品が創作された当時、振付家が現在の自分と同じ年代であったことを知り、当時どのような思いや興味を持って作品と向き合っていたのかを伺えたことも、大変興味深いものでした。自身の現在の立場と重ね合わせて共感できる部分と、時代や経験の違いから学ぶ部分の双方があり、自身のダンスへの向き合い方を考える時間でもありました。

本企画に参加したことで、振付家として創作に向き合う姿勢を学ぶとともに、今後自身が作品創作に向き合う上での大きな指針を得ることができました。

大変貴重で有意義な時間をいただき、関係者の皆様に心より感謝しております。
ありがとうございました。

渡邊絵理

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

今回は23年前の作品をリバイバル・リクリエーションするという企画に参加させていただきました。
新しく振付を変えた部分もありますが、オリジナルの振付を踊る部分も多かったので、自分の得意、不得意があることを改めて感じました。
そして、今回はオリジナルキャストの方々から直接指導してもらえる機会もありとても貴重な経験でした。実際に踊っていたダンサーの方々から教えてもらえることで、映像を見て踊りを振り起こすだけでは気づかなかったことや、どんな背景でこの作品が出来上がったのか、作品に対しての思いを教えていただいたことで、作品に対しての解釈もより明確になり、直接振付を学べる時間が有り難かったです。

長いクリエーションを通して、沢山話し合って、振付家の作品に対する熱意や愛情も感じましたし、その時間を共有することができて、とてもいい時間でした。
今回感じたことを今後、自分で作品を作る上で活かしていけたらいいなと思います。

佐々木実紀

参加されたプログラムについて。発見したこと、吸収できたこと、振付家(または振付家を志している)の方は、
特に今後の活動のプラスになったことなど。

 リバイバル・リクリエーションということで、振り起しをするだけではなく、作品の核を守りつつ新たに創造する過程をご一緒できたことは貴重な体験でした。
 クリエーション中に特に印象的だったこととして、「身体性を共有することの強さ」と「想像力をもって臨むこと」を挙げます。
 まず前者について。稽古場ではほぼ毎回アップを兼ねた短いクラスがあり、作品に出てくる身体や、多喜子さんのワークにおける基礎を共有してもらう時間を経てリハーサルに進みました。これによって身体言語が共有された上に建つ作品の強さ、その過程を経て初めて溢れたものがダンサーとしての個性であることを学びました。
 後者については、リハーサル後半でのワークの持ち方についてです。動くエネルギーを落とし、踊っている自分の姿や周りとのタイミングを想像して過ごすというものです。踊り込むだけに徹すると(私の場合は)独りよがりな感情に陥りがちですが、自分や共演者を俯瞰し冷静に作品に臨む、という点を鍛えることができました。また、リハ前に今日の身体のコンデションを各々数字で伝えるというやりとりもしました。痛みを数値化するというのも一種の俯瞰して身体を捉えるトレーニングだと言えます。自分の身体に耳を傾けること、踊るための身体のコンデションの作り方、ダンサーとしての基本的な心身の在り方を改めて学ぶことに繋がりました。
 これらの時間を経て迎えた本番では、身体がそこにあること・踊ることの喜びや、限界を越えようとするときに出てくる身体の強さの片鱗を感じることができました。これはダンサーとして本当に嬉しい体験でした。
 またカンパニーを離れてから、身体言語を共有し作品に向かうということの尊さを忘れかけていたと痛感しました。どれほど時間がかかるか分かりませんが、いつか自分も身体性を共有したうえで創作することに挑戦したい、と新たな目標もできました。