Enjoy Dance Festival 2023 

Cプログラム 作品情報

Cプログラム/2月18日(日)13:30~ 会場:フリースペース

*上演後に、公募二次選考メンバーをゲストに迎えトークを行います。
*()は振付家の活動拠点 *作品の掲載順は必ずしも上演順ではありません。

 

藤村港平(東京・横浜)〔公募作品〕

「PreDanceMusic」

発案:藤村港平
考案:丹羽青人(Dance Base Yokohama)、藤村港平
出演:畠中真濃、藤村港平
初演:2023年

 

 

「きく」「みる」といった素朴な行為が、

意味や表象の外側で何かを作る時、

近代に解体された共同体が問い直される。

 

ある側面において、音楽やダンスは、イメージや情報として提供されます。しかし、それについて「感じ」「考え」「語り」「知る」等の喜びは、ダンスや音楽を理性的に客体化し続けるだけでは生まれません。それはむしろ、自らの身体の「きく」「みる」と言った素朴な行為に伴う前意味的な経験によって対象に巻き込まれていくことで始まるのではないでしょうか。

 

 

横谷理香(石川)〔「ダンスでいこう!!」開催地主催者からの推薦作品〕

「あやつり あやつられ」

構成・振付・演出:横谷理香
出演:MARTA GRESPAN、真下恵、田村穂乃香、吉野正哲(マイアミ) ※出演者が変更になりました。
小道具製作:柴田鑑三
初演:2023年

 

 

あやつる あやつられる あやつるでもなく あやつられるでもない

しずかに アツク こくこくと そして 

 

彼女のお茶を点てる姿を見た時に、その所作がなんて素敵なダンスなんだろうと感じた事がこの作品のはじまりです。

その姿は誰かにあやつられているようにも、誰かをあやつっているいるようにも見えました。

お茶を淹れる、という風景。
ただ、少し視点を変えると見え方が変わるのかもしれない。

普通のものが、特別なものになる
特別なものが、普通のものになる

日常が非日常に変わる瞬間と
非日常が日常に変わる瞬間と

その狭間やそのゆらぎ

もしかしたら
知らないうちに視点や思考も、あやつり あやつられているのかもしれない

 

――振付をする/される関係性に疑義を呈しながらも、どことなくユーモアを内在させる。「振付」の概念を拡張し、茶道、陶芸、チェスゲームや自然物の所作、立ち振る舞いを舞踊の文脈に取り入れようと試みた意欲作。(山田企画・山田洋平)

 

 

山下残(京都)〔ゲスト作品〕

「横浜滞在」

振付:山下残
出演:後藤禎稀(Super D) 、山下残
初演:2002年

 

©️新里愛

 

みなとみらい21

がんばって24時間工事しているけど、

解体も構築もできていない僕は、

何もない空き地で遊んでいる子供がそのまま大きくなったようなもんだ。

 

2002年夏から秋にかけて、フランスの振付家フィリップ・ドゥクフレの日本滞在クリエーションメンバーとして横浜に2か月ほど滞在する機会を頂きました。せっかく京都からアルバイトを休んで訪れるし、たぶんひとりでウィクリーマンションに居て夜の空き時間とかもったいないから、当時京都造形芸術大学の学生であった藤田一さんというダンサーの実家が横浜ということで協力を仰ぎ、ドゥクフレのクリエーションが終わるころを見計らって単独でSTスポットをかりて自主公演を企画しました。しかしながら、そんなついでのように作品が出来る訳はなく、本番も近づいて最初の10分しか出来ていないところで、初めて見せたスタッフが照明のアイカワマサアキさん、初対面でひとこと「面白いね」って励まされて、その後グイグイ完成まで辿り着けたことを思い出します。自分には雲の上の存在だった振付家・ダンサーの黒沢美香さんを公演初日に連れて来て紹介して下さったり、アイカワさんにはこの作品を通してJCDN「踊りに行くぜ」の全国巡回などたくさんお世話になりました。続けてますよと天国に向けてお伝えしたい気持ちです。
『横浜滞在』は正式タイトルだと思われにくいらしく、観た人からよく「あのラップするやつ」と言われるのですが、2000年代初めの日本のヒップホップに影響を受けているのは確かです。あとダンスを書くことの実験でもありました。

 

――本作は2002年、仕事で横浜のウィクリーマンションにひとりで住んでいる頃に創作された。この頃の山下は‘ダンスを書く’というコレオグラフ(振付)に取り組み、100ページの本を観客に配りページをめくりながら本と舞台を交互に観る『そこに書いてある』など、既にあるダンスのテクニックを使わずに言葉から振付を発明する試みを追求していた。『横浜滞在』の場合は、山下自身の「日記」が言葉のモチーフとなる。ラップ調に繰り出される言葉と、その言葉にリンクして動く一人のダンサー。完璧に振付られた‘言葉’は、繰り返されるうちに、なぜかとても自由に我々に「今起きていること」を想起させる。思わず笑ってしまうユーモアあふれる山下の短編傑作、お楽しみください。

 

 

きたまり(札幌・京都)〔リバイバル・リクリエーション〕

「サカリバ」

振付・演出:きたまり
出演:さとうまゆ、福島頌子、藤岡美沙、山口なぎさ
振付・演出アシスタント:王丸陽可、前川友萌香
音楽:,G
初演:2004年

 

©️スタジオ山田

女である、身体で表現する、ダンスと行為の狭間、生の感覚の中で

絶え間ない悲喜交々と共に生まれた作品が15年ぶりの【いま】ここで新たに。

 

舞台作品の上演が終わる。演劇は戯曲、音楽は楽譜は残る。が、ダンスは残らない。けども、映像や写真などの、記録は残る。だけど、本当の意味で残るとは上演が繰り返し続けられ、もしくは形を変えても次世代にインスパイアを与え続ける作品になることだろう。

20代の初めに自分の所在の分からなさの中で、もがくようにダンスで表現をすることに触れ、必死で他者と自身の身体をみつめ、作品をつくるという場を通してここで生きて、ここで死ぬかもしれないという感覚の中で生まれた『サカリバ』、当時の作品コメントを記す。

ここにいる。ここで起こる開放的な時間、ここで流れる閉鎖的な時間、破裂するほどの感情や氾濫する情報の渦の中、あさましくここにいる。

当時のこの感覚はいまの私にはさっぱりとシラを切るつもりなので、この感覚はなんだったのかと、いまの若者の身体を通して考える。時代は変わると作品も変わる。その中で変わらないものがあれば、それこそダンスが残ることかもしれないが、残らない【いま】にこそ魅了されたい。

 

――振付家・きたまりが21歳の時に創作し、26歳まで自身のカンパニーKIKIKIKIKIKIで踊った作品『サカリバ』。「踊りに行くぜ!!」などで日本全国・アジアの国々を巡回上演し、各地の観客に「ずっと追いかけたい若手振付家が現れた!!」と強烈な印象を残した。

年の若い女のコたちが繰り広げる場は、踊り手一人一人の個が際立ち、騒々しく、きらびやかで、たくましい世界を描き出していた。小道具や仕掛けなど、見どころ満載の作品。リバイバルでどんな復活を遂げるのか!?

 

 

さとうまゆ

2000年生まれ。神奈川県出身。日本大学芸術学部演劇学科洋舞コース卒業。幼少期からストリートダンスを習う。高校の創作舞踊部にてコンテンポラリーダンスに出会い、作品創作にも意欲的に取り組む。大学在学中は学内外でコンクールやイベントへの出演、作品の創作も精力的に行う。卒業後は、身体能力と柔軟性を生かした踊りを追求しながらも、ダンスの枠組みに捉われない様々な表現へ興味を持ち活動中。

 

 

福島頌子

栃木県出身。大学入学を機にwaack,soul,R&B,jazzなど様々なジャンルのダンスを学び、2021年から本格的にコンテンポラリーダンスを踊り、学び始める。近年は様々な振付家の作品に出演させていただく傍ら、自作のソロ作品や自主公演の主催等、創作活動、また、即興パフォーマンス等に力を入れて活動中。皆川まゆむ、平原慎太郎らの各氏に師事。

 

 

藤岡美沙

高校生からミュージカルを学び、その後大阪ダンスアクターズ専門学校に入学。HIPHOP,Jazz, バレエ,Tapダンスなどを学ぶ。在学中に3ヶ月NYにダンス留学。そこでコンテンポラリーと出会い。現在ではコンテンポラリーとヒールのミックスジャンルを主にしている。

 

 

 

山口なぎさ

桜美林大学芸術文化学群演劇専修卒業。在学時はコンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事。現在は”モノや空間から影響を受けて生まれた即興とその時の内情を踊りにトレースする”という手法で、自分なりの表現を模索中。作品を創作する傍らさまざまな演出家のもとで作品に携わる。これまでに木佐貫邦子、中川絢音、中屋敷南、dazzleの作品に出演。そのほかミュージックビデオに出演。

 

 

王丸陽可

1997年生まれ。福岡出身。ダンス・アーティスト マニシアの元で幼少期より踊り始める。大学時代には下関でモダンバレエをした。またコミュニティダンスグループ、ワレワレワークスに参加し始める。現在はバレエや舞踏、ダンスセラピーなど様々な角度から自分自身と踊りを模索している。

 

 

前川友萌香

2002年岐阜県生まれ兵庫県豊岡市在住。芸術文化観光専門職大学在学。幼少期より習っていたオペレッタや新体操の経験を踏まえ、現在は演劇やコンテンポラリーダンスを学んでいる。これまでに平田オリザ、多田淳之介、山下残らの作品に出演。ハルキゲニア倒立フェス2023メンバー。

 

 

■アフタートーク ゲスト:和田ながら

photo by Yuki Moriya

 

Nagara Wada
京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』など。美術、写真、音楽、建築など異なる領域のアーティストとの共同作業も多数。2013年から2015年、Dance Fanfare Kyotoの運営に携わる。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフ。

 

Ticket

購入・予約

Enjoy Dance Festival 2023

販売終了

会場
京都芸術センター(講堂・フリースペース)
日時
2024年2月17日(土)・18日(日)
料金
(全席自由)
[各回]一般 2,500円/U30 2,000円/高校生以下1,000円/小学生以下500円
[2公演セット券]一般4,000円/U30 3,000円
※当日500円増 ※セット券は枚数限定・前売のみ ※JCDN会員割引有(一般200円引)
※[フリースペース]3歳未満入場不可 [講堂]未就学児入場不可
※2月18日(日)は「踊る託児所」を開所します。下記参照。
※「U30」「高校生以下」チケットは、入場時に証明書をご提示ください。

[発売日]12月23日(土)

[取扱]
・京都芸術センター 窓口 (10:00~18:00)*電話・FAXによる予約は不可。
・peatix https://edf2023.peatix.com

★ご来場のお客さまには、もれなく「ダンスの楽しみかた手帳」をプレゼントします。


[踊る託児所]

託児の時間、お子さんと一緒にダンスのワークショップを行います。誰でもできる簡単な動きの遊びや、絵を書いたり……。動く事やダンスが苦手なお子さんも、その場にいるだけで大丈夫。無理のないように、楽しくゆるやかに過ごします。

ナビゲーター:鈴村英理子、吉永初美(保育士資格保有)/親子のコミュニティダンスカンパニー「チチカカコ」

日時:2/18のみ 
①13:00受付開始~16:00終演(予定)
②17:00受付開始~20:00終演(予定)  
定員:各回10名(①1歳以上 ②3歳以上)
利用料:2,000円/お子様1名、要予約。〆切:2/17(土)まで。
申込方法:https://forms.gle/49vZb134ws1FocNq9 にてお申込みください。

購入・予約についてはこちら