「Chreographers2023」4地域公演が終了しました!

2024.1.10

2023年度「Chreographers」4地域の公演が終了しました!

「Chreographers」はKCA(KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD)受賞作品等の再演や新作クリエーションなどにより、若手振付家の次なるステップの場とするほか、各地の劇場とのネットワーク作り、各地域のダンスの刺激剤となる場を目指すプログラムです。また、あまり知られていない“振付家の役割”(「振りを付ける」ことに留まらず、作家であり、演出家であり、思想家であり、冒険家であり、時には社会を察知し真実を探るメディアでもある…)に光をあて、上演&トークを通して掘り下げるシリーズとして2021年に始めました。 

2023年度は、北九州・松本・松山・新潟の4地域で開催しました。振付家・上演作品は、各地のオーガナイザーや制作協力者等と共に、各地域のダンス状況のリサーチを行い決定しました。

2023年度「Chreographers」で上演したKCAの受賞作品は、大森瑤子振付作品「Help」(KCA2022京都賞)、岡田玲奈・黒田勇/Null 振付作品「Own Own」」、Aokid x たくみちゃん 振付作品「HUMAN/human」(KCA2022黄金4422AIR賞)、池ヶ谷奏・藤村港平 振付作品「対象a」(KCA2022京都賞)の5作品です。他に、KCA2022のファイナリストに残った、女屋理音 振付作品「エピセンター」も若手育成枠として紹介しました。
他に、KCA2020奨励賞の横山彰乃さんには、出身地である長野県内で参加者を募り新作「Zuku-Zuku-Zuku」を上演いただきました。
KCAに関わる振付家は以上となりますが、他にも各地域でダンスの振付家が生まれ育つきっかけとなることを目的に、開催地域で活動する振付家のリクリエーション作品や、開催地域に縁のある振付家、海外の振付家を招聘して地域のダンサー・表現者などを対象にワークショップを行って新作を上演するなど、様々な試みを行いました。

各地の内容は、公演+トークという共通の枠組はありつつも、4地域それぞれの地域性を活かしたプログラムとなりました。

北九州は、KCA2022の受賞3作品を紹介しましたが、KCAの劇場空間と全く異なる小劇場で作品を再演したことにより、新たな魅力が見えました。また、プレトークでは舞踊評論家の石井達郎さんと朝日新聞社・編集委員の吉田純子さんによるトークを行っていただきした。さらにアフタートークでは、聞き手でご自身も振付家の康本雅子さんが、3作品の若手振付家にそれぞれのダンス作品の作り方を聞く、という新たな試みを行いました。同じ振付家としての感覚から鋭い質問が出るなど、振付の世界により深く迫るトークとなりました


松本では、池ヶ谷奏さん&藤村港平さんの作品に加え、井田亜彩実さんと横山彰乃さんそれぞれに、長野県周辺で出演者を募集して新作を創作し上演していただきました。また、移住して松本を拠点に活動されている二瓶野枝さんに、松本で発表した長編作品を20分にリクリエーションして上演していただきました。
また、トークゲストに、信州アーツカウンシルの藤澤智徳さん、にちようカラダワークショップ主催の分藤香さん、喬木村
地域おこし協力隊・ダンサーの吉川千恵さん、ブルーベリー農家で月1ダンスを運営する黒岩力也さんなど、ダンスと関わりを持ちながら、ダンスというジャンルに留まらない活動をしている方々を迎え、他地域ではなかなかできない「信州スペシャル」となりました。

松山のプログラムは、大森瑶子さんの作品のほかに、地元松山から赤丸急上昇とhoneysuckleに出演していただきました。その効果もあってか、観客層が若く、たくさんの高校生が観に来てくれました。松山は、赤丸急上昇とhoneysuckleのダンサーが、松山のコンテンポラリーダンスの拠点であるダンススタジオ・モガの運営メンバーでもあり、ここ数年はJCDNと共同して「ダンスでいこう!!」の運営団体として若手育成プログラムに取り組んでいます。そうした経緯から、プレトークのゲストには「ダンスでいこう!」ワークショップの講師として松山の若手育成事業に携わった振付家・ダンサーの東野祥子さんと鈴木ユキオさんを迎え、「松山と日本のダンスの未来」をテーマにお話しいただきました

そして、最終地・新潟の上演作品は、池ヶ谷奏さん・藤村港平さん、女屋理音さんの作品に加え、新潟スペシャルとして、新潟県内で活動する高校生から20代のダンサーを公募で募り、ワークショップを経て上演作品を発表する試みを行い、振付家・ナビゲーターには韓国からチョン・ヨンドゥさんを招聘しました。プレトークでは、乗越たかおさんをゲストにお呼びし、秘蔵映像付きで多様なコンテンポラリーダンスについてのお話しをしていただきました。

北九州 打ち上げ交流会

松本 プレトークの様子

松本 集合写真

松山 スタッフ見せ

松山 プレトーク

新潟 ヨンさん作品に出演した高校生と、池ヶ谷さん・藤村さん

 

今後も、「Chreographers」は、アワード(KCA)を通じて評価を得た若手作品の再演の機会を日本で作って行くことと同時に、日本各地のダンス環境が少しでも向上していくような仕掛けを各地のダンス関係者とともに形作ること、そのためのリサーチやネットワーク作りを大事にして歩んでいきたいと思います。
関心をお持ちの劇場担当者、ダンスの制作者の方は、ぜひ総合問合せまでご連絡ください。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。(JCDN)

各地域のプログラム詳細はこちらご覧ください。